本書を読むにあたって
ぼくの場合「あれやってみたい」「これやってみようかな」とアイデアが浮かんでくるものの、いざ実際に行動することはごく稀でした。
なぜなら、ゲームや漫画、YouTubeといった手頃な娯楽が目の前にあって、すぐに手を伸ばしてしまうから。
「今日こそ○○するぞ!」と仕事帰りに心の中で気合を入れるものの、いざ取り組もうとしても気がついたらいつものようにゲームをしている。そんな自分が嫌になってくる……。
『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』を読もうと思ったきっかけはそんな自分を変えたいからでした。
この本では行動を起せない理由は「自分の意思が弱い」からではなく、科学的な根拠があると教えてくれます。
著者は作業療法士の菅原洋平さん。
作業療法士とはなんなのか、ネットで調べてみると
作業療法士とは『身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること。』とされいる。一部抜粋
作業療法士とは https://www.fukushi-work.jp/shikaku/detail.html?id=1&did=3
このように書かれていました。
なるほど、つまり人を科学的に行動させて社会適応能力を回復させるスペシャリストってことか!
学んだことの概要
「自分はもともとゲームが好き。だから中毒になってやめられないんだ」
ぼくのこの考え方は脳が仕掛けた甘い罠であると本書では語っています。
本当に好きなことではなくそれは楽で慣れているからであり、ネットゲームをするという行動に走った自分を容認したいから脳が勝手に好きだと思い込んでいるという。
なるほど、じゃあそのゲームをする自分を抑え込むにはどうすればいいのだろう?
まずは視覚からそのゲームに関わる情報を消すこと
視覚から得られる情報、そこから生まれる意欲は凄まじいものであると本書では語っています。
確かに、いつも暇で寂しいときにネットでゲーム配信を垂れ流しにする。それを観ているうちにプレイしたくなるんだよね
さらに配信サイトだけでなく、YouTube、Twitter、ネットブラウザのお気に入りなどの習慣的に眺めている情報が自分の本来やりたいことを阻害していると教えてくれます。
うおおおお
早速、ぼくはデスクトップのゲームアイコン、スマホのブックマーク、Twitterのゲーム関連フォローなどを全て消しました。
すると、今まで帰宅後に「ネットゲームやるか」っていう気持ちが薄くなりました。
視覚から得られる誘惑がなくなると、意欲も自然とやりたい方向に向く。当たり前のようで、できていなかったことでした。
ここからさらにもう一歩踏み込んで、+アルファの行動を習慣化させることが大事と書かれています。
ぼくの場合は身につけたいスキルが、動画編集、DTMなのでとりあえず帰宅後に作曲ソフトを立ち上げる習慣をつけることにしました。
作曲ソフトを立ち上げて4小節打ち込んだらその日はノルマ達成!あとは自由にしてOKという独自ルールを設けました。
すぐに行動習慣を変えることはできないので、少しずつが大事だと実際の作業療法士としてのエピソードをもとに教えてくれます。
他にも
- ミラーリング効果を利用する
- 身体の動きから脳に伝えていくように仕向ける
- 作業や動作に区切りをつける
- 現状と将来像を繋げるイメージをしながら取り組む。先読みしながら作業をする
- どうしても作業が滞っている場合は現状を言葉に置き換えてみる
- 自分にとって最適なすぐ取り組むための呪文を見つける
- 睡眠が行動力を起こすための資本であるから体調管理して土台をしっかり作るべき
など、行動を起こすためのコツが実体験を交えながらわかりやすく書かれています。
さらに、各テーマの合間にイラストや漫画が挟まれており、これが内容をイメージ化させるのに役立っていて、とても学びやすい構図になっています。
以上簡単な概要説明でしたが、ぼくが一番タメになった話は「視覚から得る情報の強さ・誘惑」と「+アルファの行動を習慣化させること」の2点です。
これを継続して続ければ、現状のゲーム沼から脱出することができるかもしれない……!
実践して二週間後の感想
読了後二週間が立ちましたが、実際に視覚からゲームの情報を消してみて、以前よりは中毒のメンタルは緩和されているような気がします。しかし
まだゲーム沼から脱出できていません。ようやく片足を持ち上げられた程度でしょうか。
ぼくがネットゲームに手を伸ばしてしまう理由には「習慣化されている視覚から誘導される甘い罠」もありますが、他にもっと大きい原因があると、本書の実践を経て思い至ることができました。
それは、孤独から生まれるコミュニケーションの要求、存在承認欲求、擬似的な快楽などです。
それらの欲求をネットゲームはいとも簡単に満たしてくれます。
だからやめられないのです。ダメだとわかっていても、生理的欲求のようにネットゲームを求めてしまうのです。
この問題を解決するのは行動力ではなく別の問題になってきます。
なにはともあれ、「すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法」は自分にとって役に立つ情報が満載で、夢中で読むことができました。
ただ、内容は良いものですが、本のボリュームの割りに価格が1265円と高いのがネックです。
また、文章は口述筆記のような印象で「読みやすいけどかみごたえは柔らかい」ものとなっています。
小説家が書いた随筆や新書のイメージで読むと面を食らってしまうかもしれません。文章が本業の人ではないので仕方ないと思いますが。
やるべきことがあるのに、気がついたら別のことをしてしまう人におすすめしたい一冊です。
読了までにかかった時間:約2時間00分
個人的評価 | |
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タメになった | |
読みやすさ |