昭和40年(1965年)、大幅な規模縮小に追い込まれ危機的状況に陥った福島県いわき市[注 1]の常磐炭鉱を舞台に、炭鉱で働く人々が職場を失う現実・苦悩に立ち向かい、町おこし事業として立ち上げた常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生から成功までを実話を元に描く。ハワイアンミュージックと本格的なフラダンスショーが描かれている。(Wikipediaより引用)
あらすじ
炭鉱に立ち向かうむさ苦しい男たち。一見ただの黒い獣のように見えるが、彼ら・彼女たちには生活の美学があった。それが今みたらダサいし滑稽にみえるかもしれないけど、当時の人はそれだけが自分のアイデンティティだったのかもしれない。
そんな昔からの風習や生活様式に誇りを持っている人々は「頭が硬い」「物分りが悪い」という安易な言葉で括ることができない強烈な価値観が根付いている。そんな人達の心を動かすには、何をすればよいのだろう?過去の時代に取り残されてはいけないと説得するためには何ができるだろう。
面白そうなテーマで評価も高かったので期待して観ましたが個人的には合いませんでした。
個人的評価 | 60点 |
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物語 | |
演出 | |
娯楽 | |
音楽 | |
芸術 |
よかったところ
娘にきつく当たったりするが、個人練習を目の当たりにしてから、村の人々に説得を試みたり
フラダンスを観て遠くで拍手喝采をしたりと。ツンデレ感溢れる後味の良いギャップが演技力によって発揮されていました。
村の人々に説得するセリフも名台詞です。
「うちの父ちゃん、お国のためだって寝る間も惜しんで石炭掘って山んなかで死んだ。」
「そんだ。立派な山の男だった」
「今まで仕事っつうのは、暗い穴んなかで歯食いしばって死ぬか生きるかでやるもんと思ってた。だげど、あんな風に踊って、人様に喜んでもらえる仕事があってもええんでねえか?」
ボロボロの押入れや布団などが雰囲気出ててよかった。虐待される生徒を目にして銭湯の男湯に突撃する先生が良かった。
ダメなところ
富司純子さんの演技は良かったけど、他はダメでした。特に主演の松平泰子さんの演技が受け付けませんでした。一度大声で怒鳴って、しんとなったあと、似たような言葉をぽつりと言う演出がとても安っぽいしリアリティがないです。
それと、電車に乗った先生を見送るシーンは感動を押し付けている感強くてダメでした。個人的には、多くの言葉を使わずに想像する余地を与える演出のほうが好きです。
セピア調の映像フィルターがかかっていて、昔らしさを演出するには良いかもしれませんが、それが映画として、物語として機能させるのはまた違うのではないかと思いました。せっかく舞台セットや昔ながらのセリフ回しなど作りこんであるのに、映像のエフェクトで過剰に演出してしまったせいでリアルさを欠いてしまうのはもったいないと思いました。フィルターの表現ではなく、舞台セットや空間作り、演技演出で昔を表現してほしかったです。
感想
去年観た「芳華」という映画を思い出しました。
「芳華」は時代に翻弄される文工団の青春とその後を描いた映画です。
フラガールもいい映画なんですけど、どうしてもあっちと比べてしまうと、、な印象です。
悪い映画じゃないんですけど、似たようなテーマで自分にとってもっと響く映画があったので評価は低めです。