Amazonのセールで295円だったので買ってみました。
プリンスは学生時代から特に好きなアーティストだったので、一気に読むことができました。
感想
プリンスの経歴が時系列にそってミュージシャンの目線で書かれていて、おもしろかったです。プリンスを知っていたつもりでしたが、知らなかったことがたくさんありました。
プリンスの音楽から汲み取る著者自身の考え方も興味深く、共感できる部分も多々ありました。
第一に、最初は気持ち悪いという印象だったプリンスが、スルメのようにじわじわと魅力にはまっていく幼少期の著者は、まさにぼくと同じ体験でした。
第二に、インターネットによる供給過多の弊害で、音楽を素人目線で聞いて第一印象だけで判断して見限ってしまう「音楽の聴き方」を否定するところ。これもまさにぼく自身の過去に感じた想いと合致しました。
最後に、プリンスが音楽に対して最後まで「純粋な」姿勢を崩さなかったことに拍手を送ったこと。お金の問題、レーベルの問題、関係者の問題、様々な障害が「プリンス自身の音楽の可能性の追求と表現」に立ちふさがるけれど、最後まで闘いぬいたところをしっかりと文章化して、本にまとめてくれたことを1ファンとして嬉しく思っています。
プリンスは、恥も外聞もなく自身の純粋な気持ちを音楽やパフォーマンスに昇華させているように感じるのです。
音楽に対してとても純粋。そして自身の表現とそのファンたちに対する愛情の深さ。プリンスの音楽は言語の壁も性別の壁も、人種の壁も超えて心に届きます。
プリンスの創作に対するひたむきで純粋な姿勢に、ぼくは強く影響を受けています。
上記の話を友人にしたら「信者は怖いなぁ」と一笑に付されてしまった悲しい過去がありましたが、西寺郷太さんのプリンス論を読んで少し気持ちが軽くなりました。
プロのミュージシャンとしての在り方に悩んでいた若き西寺郷太さんが、プリンスのライブを生で観て悟った内容が最高だったので引用します。
西寺 郷太. プリンス論(新潮新書) (Kindle の位置No.1793). 新潮社. Kindle 版.
個人的評価 | |
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タメになった | |
読みやすさ |
読了までにかかった時間:約2時間00分