基本情報
監督:チャン・イーモウ
脚本:パオ・シー
出演:チャン・ツィイー、チョン・ハオ
公開:1999年
上映時間:89分
個人的評価 | 90点 |
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物語 | |
演出 | |
娯楽 | |
音楽 | |
芸術 |
感想(ネタバレあり)
「!?チャン・ツィイーってこんなに可愛かったの?!」
グリーン・デスティニーで演じた生意気な娘の姿はそこになかった。とにかく初恋に夢中なチャン・ツィイーのいじらしい演技が良い。走り方、目線の動かし方、涙の流し方、どれをとっても役に入り込んで演じている。とにかく健気。ああ、良いものをみたな、こんな恋愛をしたいな、と素直に思ってしまった。
田舎の村ならではの恋愛模様を美しい映像が教えてくれます。とくに、料理を風呂敷に巻いて運ぶところとか。割れた茶碗を修理するときの小気味よい音とか。機織り機を使う後ろ姿とか。印象に残るシーンだらけ。
この映画の特徴の一つをあげると、セリフが少ないことです。しかしそれは良い意味で機能しています。なぜなら、映像がセリフの介在を排するレベルで色々な物事を教えてくれているからです。映像表現のお手本だと思いました。
シナリオが小さなこどもでも理解できるほどわかりやすいです。でもそこがいい。90分という長すぎない上映時間も良い。実際、日本語字幕なしで観ても言わんとすることがわかります。そんなわかりやすい話であるにもかかわらず、全然退屈しません。
「昔、母が言った。父の朗読の声がいいと」「字の読めぬ母にわからない言葉も父が読むだけで感動できた」「以来、母は毎日聞きに行った」「村人が慣れて関心を失っても、母だけは聞きに行き、それは40年続いた」
序盤でこの語りと映像をみせられて、引き込まれました。好きなシーンです。
同監督作品の「活きる」には及ばないものの、心に残り続ける美しい名作です。AmazonPrimevideoで300円課金して観ました。