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富野に訊け!

ガンダムの生みの親、富野由悠季さんによるお悩み相談本です。
Kindleのセールで356円だったので買いました。

富野監督をご存知の方は「富野節」を思う存分楽しめる傑作だと思います。

感想

今の御時世、過激な発言はSNSで拡散されて袋叩きにあうことが多いですよね。
そのせいか、「端的に口にしたい」、「本当はこういいたい!」ことを遠まわしに書いてしまうため、冗長な文章が増えているようにも思います。

そんな方には本書を読んで、痛快な気分になってほしいです。
人が口にしにくいことを、ズバズバと物怖じせず書いています。

「僕はこの職業に就いていなかったら、間違いなく人を殺していた人間です。人を殺したい、誰々が憎いという「負の想い」を作品内で吐き出すことで、僕は救われてきたという自覚があります。」

「ブランド志向というのは、「自分の個性がない」という表現なんです。」

「まだ20代でしたら信用できないでしょうけど、かなりブス──ズバリ申し上げて正視に耐えない、という顔の方でも、それなりにきちんとした生き方をしていると40歳を過ぎてから顔が変わります。そういう事例を近親者や友達の中で僕はかなり知っています。そのような方たちは、誠実に生きてきたという努力があったからだと思います。」

富野監督だから許される物怖じしない発言が随所にみられて読んでいて気分が良いです。

ただ、お悩み相談だけど相談者を徹底的に叩いて終わってしまう回もあり、読んでいて少し気の毒な気持ちにもなりました。それだけ本気の回答をしている、ということだと思いますが。(全体的にかなり厳し目の回答)

特に恋愛や結婚についての回答が刺さりました。
結婚は生きるためにすること。例えば自分が病気になったときに、温かいスープを作ってくれるようなパートナーが必要。そして、愛情を与えて、享受すること。それは人が人らしく生きるために必要なこと。富野監督の年の功なのか人生経験なのかわかりませんが、胸に沁みました。

ホスト、キャバ嬢が書いた恋愛術の本を読むより、断然こちらがオススメです。
余談ですが、回答の見出しに監督の顔写真がついており、それが笑っていたり怒っていたり嘆いていたりで、読む前に内容が想像できて面白かったです。

個人的評価
タメになった
読みやすさ
これが356円は超お得!良い買い物しました♪

読了までにかかった時間:約2時間00分

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