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射鵰英雄伝レジェンド・オブ・ヒーロー (2017) レビュー

基本情報

原作:金庸

プロデューサー:グオ・ジンユー

監督:チャン・カーチュン

脚本:シェン・ユーチェン、ワン・ズーチー、ジャオ・ウェイナ、シー・タオ

出演:ヤン・シューウェン、リー・イートン、チェン・シンシュー

公開:2017年

上映時間:各回45分/全52話

かんたん紹介

武侠小説の王道「射雕英雄伝」のドラマ版です(通算リメイク10回目)

毎日の日課

仕事から帰ってきて、家事を済ませてからPC前の椅子に腰をおろす。Amazonprimeビデオの射鵰英雄伝のドラマをクリックする。それがここ二ヵ月のライフスタイルでした。

全52話で各回45分程度の内容です。何度も映像化されている射鵰英雄伝ですが、2017年版をみた理由は二つあります。

  1. Amazonprimeで観れるから(無料)
  2. キャスティング(ビジュアル)が好みだったから 

この二点ですね。本当は評判の良い2003年版が観たかった。でも、黄蓉役の人が可愛かったので2017年でもいいかなって……。そんな単純な動機でした。

ちなみに原作は8年前に読了済です。

よかったところ

キャスティングがイメージにピッタリ

メインの郭靖、黄蓉が自分のなかのイメージとぴったりだったので物語に感情移入しやすかったです。でも年寄りキャラが全体的に若いように見えます。洪七公はどうみても若い人がやっているのが丸わかりです。天下五絶が若く見えるのは内功が至純の域に達しているからだと解釈すればよし……?

お気に入りはジェベ師匠と黄薬師です。

アクションシーンに力が入っている

CGを使って、綺麗なエフェクトを拵えて、存分に名人たちの武芸が視覚的に堪能できます。

特に黄薬師vs全真七子の闘いは凄かったです。また、モンゴルの戦のシーンは力が入っていましたね。

洪七公直伝の剛の極地・降龍十八掌がカッコイイ!

黄蓉がかわいい

料理の腕前を披露したり。唄いながら登場したり。洪七公の技を練習したり。

黄蓉役の人はもちろんかわいいですが、その魅力をしっかり物語に織り交ぜて演出していました。各時代の黄蓉役の人を見比べると、時代によって美意識が変化しているんだなと実感。

鶏肉が食べたくなる

洪七公が鶏肉を食べるシーンが多くて、みていると食べたくなります笑

このドラマを観ていた時は鶏肉料理をよく食べました。

だめなところ

全体的に冗長

原作では無駄なくテンポよく進みますが、ドラマでは早く次に行ってほしいところで無駄なシーンで時間を延ばしていました。必要十分な説明描写をさらに過剰に演出してしまう場面が目立ちます。特に英姑と周伯通の回想なんか一話分使っているので、途中から飛ばしたくなりました。

CG、場面の切り替え方が雑

アクションシーンの力の入れようとは裏腹に、CGが雑でした。

ワシに捕まって山を降りていくところなど、CGと人の動きが噛み合っていなかった。

同じ場面をフェードアウト・フェードインしただけで、時間経過を演出していて、それがとても雑に感じました。

オープニング、エンディングが手抜き

52話ずっと同じOP、EDが続きます。

歌もなく、曲に合わせて各シーンの回想とクレジットが流れるだけです。

せめて最終話くらい豪華なものにしてほしかったです。

なので、終わり方が凄くあっさりしていて味気ない印象でした。

感想

腐っても鯛は鯛! ストーリーそのものは原作に忠実になっているので、面白かったです。

射鵰英雄伝を改めて見ると、郭靖は序盤に黄蓉に出会って本当に良かったな、と思います。

好きなシーンはなんだかんだ言って、黄蓉が郭靖の優しさに胸を打たれるところです。男装し、乞食の成りをしていた黄蓉に対して、唯一優しく接してくれたのがモンゴルから上京したての郭靖でした。それでも黄蓉は賢いので、嘘や暴言を駆使して郭靖の真意を試します。何も見返りをみず、自分の話を信じて人を救おうとする郭靖の英雄的な優しさに胸を打たれるのです。

小悪魔キャラの黄蓉の知恵と愚鈍な郭靖の英雄たる正義感、この短所を補うようなコンビは人のココロを掴みます。

ぼくは過去に恋仲だった女性に「あなたのようなお人好しは、人生損するだけ。世の中をうまく生きるにはもっとしたたかで打算的でないといけない」ときつく言われたことがあります。言われて以来、寝不足、栄養不足に悩まされて辛い思いを過ごしました。

しかし、射鵰英雄伝の郭靖のような人物が黄蓉に認められ、人柄から様々な達人に認められて強くなって成功していく姿は、当時の愚直な自分を肯定してくれるような気がして救われました。そんな物語が中国全土で60年以上支持されている事実もまた、救われます。

何度リメイクしても、高視聴率を獲得できる作品って凄すぎますね。何度休載しても、単行本を出せば必ず売れるあの漫画を思い出してしまいます。

備考

音声:中国語 字幕:日本語 で観ましたが

このドラマ、なんとアフレコで声優が声をあてていました。

黄蓉、郭靖役の人って、もっと声低かったんだなあ。しかし、声の演技自体はアフレコとかなり近いですね。

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個人的評価65点
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