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楽園の瑕(終極版)レビュー

基本情報

監督、脚本:ウォン・カーウァイ

出演:レスリー・チャン、レオン・カーフェイ、ブリジット・リン、トニー・レオン、ジャッキー・チュン

上映時間:100分

制作:1994年

名作武侠小説の「射鵰英雄伝」、「神雕侠侶」に登場する天下五絶と呼ばれる東西南北中の達人たちの若い頃を描いたスピンオフです。なお原作の金庸はノータッチ。

天下五絶と言っても、南の段皇帝と中の王重陽(or周伯通)は登場しません。

各人の愛をテーマに連作短編として繋げたような物語です。舞台は西域の砂漠。そこで殺し屋稼業を営んでいる欧陽鋒(レスリー・チャン)の独特な目線と語り口で物語は進行します。

アクションシーンが独特

ここがすごい!と思えたのはアクションシーンです。

1993年制作の映画なので、以前みた「チャウシンチーのキングオブカンフー」のようなB級感満載でワイヤー丸見えなアクションを想像していましたが、全然違いました。(あれは逆にB級感が機能していたので悪い意味ではないです)

全く古臭くなく、そしてかっこいいんです。

なぜかというと、まず音がかっこいい。次にヒトの映し方が朧気になっていて、血しぶきなどの演出もアニメーションタッチのようで、ひきこまれました。芸術的とも言えます。

逆に、原作準拠の漫画的なアクションを期待すると拍子抜けしてしまいます。

感想(ネタバレあり)

うーん、初見だとどうしても雰囲気映画!

連作短編のように各主要人物の愛をテーマに話が進んでいきます。

しかし、一度観ただけで全てを理解するのは難しい内容となっています。セリフに過剰な演技が全くなく、リアルに静かに語っていきます。

基本的にアップで撮っているせいか、表情やしわが目立ち、独特で艶めかしい雰囲気がありました。特に欧陽鋒の目つきがいい。有名なレスリーチャンという人です。卵売りの女性にきついことを楽しそうに言うシーンは迫るものがありました。

射鵰英雄伝を知っている人ならわかりますが、キャラの性格が全然違います。

そのなかでも、洪七公は原作に一番近かった気がします。その理由は卵1つのためだけに野盗の賊を退治したことです。原作でも大の美食家で食いしん坊で、黄蓉の手料理が食べたい欲望に負けて郭靖に降龍十八掌を教えてしまうくらいですから。。

映像美、独特なカット、無駄な説明を一切省いた言葉、等など記憶に残る映画なのは間違いないです。

鑑賞後にWikipediaを読むと……

レビューサイトでこんなことを書くのも恥ずかしいですが、初見で観終わったあとはWikipediaであらすじを読むとスッキリします。

心に残っているモヤモヤが氷解する心地よさを味わえると思います。書かれている文章自体も簡潔丁寧で、物書きの参考になります。

あらすじを理解した上で、改めて観なおすと名作になっている可能性大の作品です。

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個人的評価80点
物語
演出
娯楽
音楽
芸術
wikipediaで物語を理解したうえでの評価になります

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