会社の上司にメタバースの理解としてオススメされたので観てみました。
細田守監督の作品はおおかみこどもの雨と雪以来です。
感想
評判があまり良くなかったので期待していませんでしたが、面白かったです。
ベルがスズとして歌ったとき、学生時代の思い出がよみがえりました。
私は高校時代、音楽を聴くことが1日で1番の楽しみでした。特に真っ暗闇のなかで聴く音楽は別世界に連れて行ってくれるような感覚を覚え、自分の中での崇高な儀式でした。
ある日、高校の同級生たちとカラオケに行って以来、周りから「変な奴」扱いをされるようになりました。
原因は自分の好きな音楽は周りにとって「気持ち悪い」とか、「趣味が変」と思われるようなものだったみたいです。(私はそのように感じていませんでした)
歌っているアーティストの見た目や挙動、歌詞が卑猥、など様々な意見がありました。
私は全くそのように思わっておらず、見た目、挙動、歌詞は音楽の一部ととらえていて、それが作品として見事にハマっていると理解していました。音楽として純粋に好きでした。
それ以来、音楽の話になると周りから白い目で見られるようになりましたが、だからといって自分の好きなものを嫌いになることはできませんでした。
話を戻します。
音楽は言葉の壁を超えて表現することができる。
ネット空間は見た目の壁を超えることができる。
多様化された価値観のなかで、いろんな作品が認められる世の中になっています。
ベルの歌は認められました。でも、それがスズの歌だとしても認められたのです。
なぜなら音楽はファッションでもなく、見た目でもなく、メッセージでもなく、音楽なのだから。
もともとスズが歌っていた音楽は本物だったのです。
ベルという見た目を使って多くのユーザーに認知してもらうことはもちろんビジネス的に重要ですが音楽の本質はそこではなく、付加価値に近い要素だと私は思っています。
真っ暗のなかで音楽だけを聴くことが好きな経験がそのような価値観を形成したのかもしれません。
私も誰かの心に響く音楽を作りたい、そう思える良い映画でした。
でも、「伝えたい部分」に向けて制作したシナリオに少し蛇足感があったかな。。竜の正体と家庭問題、同級生の恋愛、近所のおばちゃんたち……それらを省いた短編映画でもよかったのでは。
Amazonprimeビデオで観ました。
個人的評価 | 65点 |
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