監督:チャウ・シンチー
脚本:チャウ・シンチー
出演:チャウ・シンチー
公開:1996年
上映時間:95分
食神を名乗る周(インチキ料理人)が出資者とマネージャーに裏切られ自己破産し、どん底の屋台路地から再興を試みる……
感想(ネタバレあり)
この映画を観ながら何度「くだらない(褒め言葉)」と思っただろうか。下品でくだらなくて安心して笑える映画を求める方にはぜひオススメしたい一品です。
「おまえ、やる気はあるか?」
「はい!なんでもやります!!」
「ならここで糞しろ」
「…………ガッテン!!」
こんな流れです(笑)
しかしこのくだらなさ、ヒトを選ぶけどいい意味で吹っ切れていて面白いです。
ストーリーは主人公が栄光から転落へ。そして路地裏から復活、という流れになっています。なぜ転落したのかというと主人公がクズだからです(笑)。名声を笠に着て自分より立場が低いものを徹底的にいじめ抜きます。そこに出資者とスパイのマネージャーが主人公を嵌めてインチキ商売を暴きます。これにて一件落着なイメージですが、ここでは終わりません。その出資者とマネージャーがもっとクズだったからです(笑)
ここで主人公が復活して名誉を取り戻しても、同じことを繰り返すのでは、と思いますがそこは安心。料理を学ぶ過程でなぜか少林寺で仏門の心得を学びます。料理の腕前もカンフーで解決してしまうところは無理があると思いますが。
最後は本当の食神が降臨して何でもありな状態になってしまうのは、とても日本の漫画っぽいと思いました。
カレン・モクがストーカーレベルに主人公に一途で、途中から逃げるようなシーンは後に西遊記でのカットに昇華されます。
料理を作るときのカンフー風な演出は少林サッカーやカンフーハッスルで開花します。
ツッコミどころとしか思えないシーン満載ですが、それはチャウ・シンチーの頭の中の映像表現に技術が追いつけなかったのでは、と思うところも。
巨匠となった有名監督の作品でも昔はこんなショボい映画を作っていたのだな、と謎の安心感を得られました。
それが決して無駄にならず、後の作品で開花する原型を観ることができると考えるとカッコいいです。最後はカレン・モクが報われてよかった。
個人的評価 | 54点 |
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