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スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

あらすじ

貧乏で辛い境遇に置かれている少年がある人物との出会いで人生が一変する物語。

中学生のときにあるマジックショップで奇妙な魔法を教わり、それを実践していくことで、成功をおさめていく。

その後幾度も試練を乗り越えてついに自分のなかの真理を悟る。実話。

感想(ネタバレあり)

魔法の正体はマインドフルネス(宗教性を省いた瞑想)と、ビジュアライゼーションでした。

瞑想とイメージの具体化による行動力触発。自己暗示。それだけ聞くと胡散臭そうに思えますが、脳科学者の視点でこれらの効果を解説してくれるのが本書の特徴の一つです。また、物語形式なので楽しく読むことができます

マインドフルネスとビジュアライゼーションが人生を変える魔法であることを説明しつつも、筆者が一番伝えたいことは彼の実体験をもとにした経験そのもの(物語)だと思いました。心臓=感情、脳=知覚 というイメージもこの本で得ることができました。

この物語を通じて考えてみると、それら2つを極めることは、本当に魔法を取得することに近いかもしれません。実体験をもとにしているので説得力があります。失敗を含めた成功であることも良かった。私も実践して理想の未来に向けて自分自身を変えていきたいと思いました。

しかし、でも実際はこうでしょ?と思うところがあります。それは筆者がいかに辛い境遇を送ってきたといっても「もともとの地頭が良かった」点は揺るがないところです。実際そのような記述がありました。

芸術方面をみればわかるのですが、遺伝による能力の差は激しいです。努力ではどうにもならないことがあります。絵で例えると宮崎駿の息子、大友克洋の息子、村田雄介の娘、などなど。明らかに遺伝の影響が伺えます。

過去に働いていたギャラリーで画商のおじいさんに「競馬の馬種ではないが、ヒトにとっても遺伝のチカラが大きい。絵は顕著」という話をききました。「だから私の息子に、無理やり東大に行かせようと思わない」とも。。

なので、サクセスストーリーの原因はルースに教えてもらった魔法だ!と書かれていても「もともと聡明で利発的だった少年」が根っこにあるので説得力が薄まりました。ただし脳は可塑性(変形可能)ということも書かれているので、全く効果がないわけではありませんが。

なんにせよ、マインドフルネスを行うことで、身体をリラックスさせて心をてなづける訓練は大事だとわかりました。

そしてその状態でビジュアライゼーションをして目標を具体化させていくことも。

最後にルースが教えた魔法を自分向けにメモしたのでここに記載します。

ルースの魔法1

・邪魔をされない場所と時間を見つける

・始める前に数分座ってリラックスする

・瞑想で達成したいことを考える。意図をはっきりさせる

・深く呼吸をする。慣れるまで繰り返す

・慣れたら座り方に意識を向け、自分自身を見ている自分を思い浮かべる

・つま先に意識を向けてリラックス。次に足に意識を向け筋肉を緩める

・呼吸を続けるごとに足が溶けていく様子を想像する

・つま先と足だけを想像する

・つま先と足がリラックスできたら、リラックスの意識を上に向けていく

・腹筋、胸筋、背骨、最後に顔と頭皮の筋肉を緩める

・全身のリラックスができたら、今度は心臓に意識をむけて筋肉をリラックスさせる

・心地よい状態。ただそこにいる自分を思い浮かべる。この感覚を記憶する

・ゆっくりと目を開ける。目を開けたまま数分間何も考えずに座り続ける

ルースの魔法2

身体をリラックスさせることができたら

次は心をてなづける

・心をてなづけられるようになるには時間と努力が必要

一日2,30分

頭の中の声を止めると、思考が澄み渡る

・呼吸に集中する。他の物事を考えだしたら

呼吸に意識をもどすこと。

・心が漂わないように、マントラを唱える。

自分だけの呪文を唱える。ろうそくの炎や他のものを見つめる

ルースの魔法3

・魔法1、2ができる状態である

・人生のなかで無条件の愛を与えてくれた人を思い浮かべる。

かつて一度でも見返りを求めず愛を与えてくれた人を思い浮かべる。

いなければ自分が無条件で愛を与えた人物を思い浮かべる

・無条件の愛の感覚を思い出し、ひたりながらゆっくりと呼吸する

過ちと欠点も含めた自分のすべてが受けいられて大切にされていることを感じる

・大切な人を想い、無条件の愛をおくる。それはかつて自分が受けた無条件の愛である

・無条件の愛を思い出す

ルースの魔法4

・魔法1,2を繰り返して頭を空っぽにする

・目標や成し遂げたいことを思い浮かべる。

・それを達成した自分を思い浮かべる。ゆっくりと呼吸を続ける

・目標が達成したり、願いをかなえたときのよろこびを想像して感じる

願いを現実にしたときの嬉しい気持ちを感じる。

目標を達成した自分を思い浮かべ、前向きな感情にひたること

・自分の姿に具体的なイメージを付け加える

どんな姿、どこにいる、周りの反応など、

少しずつイメージをつけていく

・一日、1,2回以上 10分~30分 繰り返す

毎回目標を達成した自分の姿からスタートする

(魔法1,2をクリアした状態)

細かいイメージを加えていく。

繰り返してイメージを鮮明にしていく。

・無意識に心がなりたいものをはっきりと浮かび上がらせ、イメージを鮮明化させていく。自分自身で驚くこともある。想像が動きだすまで続ける。

大切なのは意思で、どう達成するかの過程はそれほど考えなくて良い。なりたいものを鮮明に描くことで、想像が現実になる。

マインドフルネス関連の本はいくつか読みましたが、この本が一番好きです。

個人的評価
タメになった
読みやすさ

読了までにかかった時間:約5時間00分

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