購入のきっかけ
たくさん本を読みたい。→色々な本を読むからには、読書体験の価値を高めたい!
という動機で探していたら見つけた一冊。
「一月300冊」、「超読書術」、「速読マスター」といったタイトルが胡散臭い本はどうしてもそそられなくて、「加藤周一 読書術」は昔からの名著ということで読んでみました。
感想
堅実な本でした。口述筆記で一ヶ月以内に作られたらしいです。たしかに感覚的に喋りながら話題を掘り下げて思考を深めていく印象がありました。一つの話題を掘り下げて、目次の題名につなげていくスタイルが目立ちます。つまり、ほとんどのタイトルの結論は最初と最後にあって、中間は肉付けです。内容は悪くないですが、省ける部分も多いと思いました。
1960年代に書かれた本なので、スマホやゲームがない時代の娯楽として「読書」の利便性を説かれています。そこが少し悲しいですね。
個人的評価 | |
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タメになった | |
読みやすさ |
メモ
速読をマスターすれば、魔法のように読むスピードが早くなります。
この読み方を実践すれば、内容が頭にすっと入って理解力を高めることができます。
難解な本や古典の読み方はこうすればいいですよ!すぐに理解できます。
上記にまつわる内容がおとぎ話であることを教えてくれた一冊。
読書のスピードを上げるには「急がば回れ」が正しく、経験と知識の蓄積によって少しずつ高めることができる。
文章の理解度は「著者の文章力+著者自身の内容の理解度」×「読者の求めるもの+経験・知識の蓄積」によるもの。
自身の経験と読書の想像は密接な関係にある。経験している内容が書かれた本は読みやすい。
読書は精神の体験であるため、身体に負荷をかける姿勢よりは楽な姿勢のほうがいい。
読むときの心構えは、文章には作者の世界観や文体のリズムがあるため
そこに読者がチューニングするのが大事かもしれない。価値観や文体が合わなければ無理して読まなくてもよい。
古典は読むべき価値がある。なぜなら、外部からの情報と実際に読んでみたときの情報は必ずしも同じとは限らないからだ。
教科書もじっくり読むべきである。教科書から得た知識は他の文献や論文などを読む際に役に立つ。つまり未来の読書の効率が上がる。
上記の「急がばまわれ理論」では単語の習得も同様で、最初はわからない単語をそのままにせず辞書を引いて覚えておくと後々読書スピードが上がる。
現代文を読み漁って自身の考え方や思考が整理されたあとに、古典に興味が湧くはず。だから、無理して古典から読まなくても良い。
文学でさえも、一気に読めない本がある。難解というだけでなく、描写が断片的でスケールが広い話に多い。だから無理して一気読みしても無意味なので、読書はいろんな本をつまみ食いするように読んでいくほうが脳にも新鮮で良い。
原書を辞書引きながら半年かけて読破するのに対して、翻訳で2,3日かけて理解することに、どれほど違いがあるのだろうか。費用対効果がよくない。
研究資料は関係性のあるものを抽出して読む。どの学者もやっている。
読みにくい本というものはつまり「自分が求めていない本」か「文章がわかりにくい本」のどちらかである。
読了までにかかった時間:約3時間00分