公開:1942年
監督:マーヴィン・ルロイ
出演:ロナルド・コールマン、グリア・ガースン等
上映時間:126分
記憶喪失の主人公が精神病院から脱走し、お人よしで純情なヒロインに保護される。
少しずつメンタルを回復してきた主人公はヒロインと恋に落ちて結婚する。主人公は車にぶつかり
頭を打ってかつての記憶を取り戻すが、記憶喪失時の思い出をすべて忘れてしまい……。
感想
記憶喪失と恋愛を絡めた古典的な王道作品です。
約80年前の古い映画ですが、ストーリーが分かりやすくて続きが気になります。昔の映画ということを忘れて夢中で観ることができました。
ぼくがこの映画に本格的に引き込まれたのは主人公が本来の記憶を取り戻してからです。ここから登場人物の動きに目が離せなくなり、物語がぐっと面白くなります。
この映画の魅力は何といってもヒロインのポーラに尽きます。
序盤にみせる彼女の明るく無邪気でお人よしな心、中盤以降にみせる一途な想いと、辛く苦しい現実に耐えながら過去を偲ぶ感情の揺れ……。
記憶喪失になった主人公に対して、自分が本当の妻だということを打ち明けず、他の女と婚約する姿を目の当たりにしながらも、真実を黙っている。そのメンタルは一途を超えていると言っても過言ではないでしょう。
なぜ真実を黙っているのかというと、主人公が自力で記憶を取り戻さない限り、あの頃の主人公は戻ってこない、本当の愛には至らないとポーラは知っているからです。
触れたらひびが入りそうなくらい張り詰めた表情をするポーラ役のグリア・ガースンの演技は必見です。
お金持ちになった後も、昔主人公にもらった安物のネックレスの方を大事にするところも素敵です。
そして、最後のシーンはわかっていても心が揺さぶられ涙してしまいます。
現実にポーラのような女性がいたらきっと世の中は安泰だろうな……。
歳を取って、色々な経験をしたあとにまた観ると違った印象を得られる素敵な映画だと思いました。
現代でも通じる面白さがあるのは人間の心に響く普遍的な感情を動かす本質が描かれているからだと思います。
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この映画で一番印象的だったのはやはりポーラの存在です。彼女のキャラクターBGMを作るとしたらどのようなものになるだろう?
いつか主人公が記憶を取り戻すと信じているポーラのひたむきさな心を想いながら作りました。
タイトル:ポーラの祈り
今回、初のおまけ制作です。良い映画を観ると言葉にできないような何かが心に残りますね。
Scaler・Nexus3という即戦力になるプラグインを使って制作の時短を試みましたが、時間配分がなかなか難しい。。
もう少し時間があればパーカッションを入れたり、隠し味的な楽器を入れたりしたかったです。
最後の締めまでの展開に少し違和感を覚えるかもしれませんが、少しでも作品鑑賞がより楽しくなるようなおまけになれば幸いです。製作時間:126分